解体工事の基礎知識

解体工事の基礎知識

解体工事とは、その名の通り建造物を取り壊す工事のことです。
建て替えまたは新築工事をするときに、在来の建物を取り壊し撤去する工事をいいます。

昔は木造建築物が主流でしたので、木造家屋の改築・移築、大規模な修理のために解体工事がほとんどで、人の手で各箇所を分解する作業でした。

石造、レンガ増や鉄筋コンクリート構造などの近代建築物が増え、それらを取り壊しの必要が生じ始めてからは、解体工事の内容も建設機器を使うなど多様化してきました。

多くの部材が結合されて一つの安定した構造体を形成しているため、解体工事の際にその手順を誤れば、建物の構造体が予想外の壊れ方をして隣接建物に被害を及ぼしたり、死傷者を出すなど不測の事態を招く危険性があります。

そのため解体工事業は、建設業許可業種区分において、とび・土木工事に分類されていましたが、平成26年度の法改正によって解体工事業が新たに新設されました。

これにより、500万円以上の解体工事を請け負う業者は、新たに都道府県へ建設業許可の申請が必要です。

解体工事現場

解体工事とは

解体工事とは、現在ある建物を取り壊し整地・更地にする工事です。
建物を立て直したり、老朽化した建物を取り壊したりする際に行う工事で、専門の知識や技術・機材が必要になります。

現在は建築基準法が厳しくなり、不特定多数が利用するビルや劇場・宿泊施設などの施設では、一定の消防設備を備えなければなりません。
これを満たしていない施設が、次々と建て直されているため解体工事の需要も高くなっています。

家の解体

解体工事の種類

以前は建設業者が仕事の一環として行うものでした。
解体する建物は木造の一般住宅が多かったので、人の手で解体することも難しくありませんでした。

しかし、現在では建物の種類も増えたため、

  • 家屋解体工事(木造・鉄筋造・RC造など一戸建てやマンションなどを解体する工事)
  • スケルトン解体工事(内装だけを解体する工事)
  • その他の解体工事(蔵・納屋・庭石・樹木・ブロック塀など)
  • アスベスト除去(アスベストを除去する工事、要資格)


などに分かれています。

家屋解体工事
スケルトン解体工事
その他の解体工事
家屋の解体工事現場 スケルトン解体工事 蔵の解体工事現場

解体業に必要な資格

解体業は、平成26年度までは建設業許可業種区分において、とび及び土木工事業・建設事業・建築工事業のいずれかを取得すれば行えるものでした。
しかし、法改正によって現在は500万円以上の解体業を請け負う場合は、解体工事業の建設業許可が必要になっています。

建設業許可を得るには、現場監督(主任技術者や監理技術者)が常駐していなければなりません。
監理技術者や主任技術者に選任するには、

  • 建築士
  • 建設機械施行技士
  • 土木施行管理技士
  • 建築施行管理技士
  • とび・とび工
  • 解体工事施工技士(級の区分なし)


などの資格が必要です。

ちなみに、これらの資格は1級と2級があり、2級は主任技術者、1級は監理技術者になることができます。
主任技術者や監理技術者は、必ず現場監督として工事現場に常駐していなくてはなりません。

解体工事に必要な資格

解体工事を行う際に必要な資格は、

  • クレーン運転士や玉掛け技能士(高層ビルなどを解体する際はクレーンが必要)
  • 足場の組み立て等作業主任者(足場を作ったり解体することができる資格、マンション等解体に必要)
  • ガス溶接作業主任者(鉄骨などの金属を切断する際に必要)
  • 石綿作業主任者(アスベストの除去を行う際に必要)


などです。解体をする建物によって必要な資格は異なってきます。

その他に、建築物を壊して出た廃材を処理施設に運んで処理するために、自治体から「産業廃棄物収集運搬業許可」を受ける必要があります。
ただし、業者によっては解体工事業登録や建設業の許可だけを取得、産廃は別の業者に任せる解体業者もあります。

優良な解体業者は、各都道府県から解体工事業登録または建設業の許可と産業廃棄物収集運搬業許可を受けています。